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取り扱いは海外ドラマなどですが、実際の人物、原作者の方、団体等には一切関係がございません。 同性愛表現を含みますので、同人にご理解、ご興味のない方のご入場は固くお断りしております
11 . June
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25 . February
前の記事でかいた、寝暗で卑屈なノーマン(大学教授)と、ハンサムショーン(俳優)のおはなし のノーマン視点

実験と教授設定はナンバーズから頂いてます
 






授業を終えて使った実験の道具を片付けていると、教室の戸がノックされる音がした。手を止めて振り返ると、スポットライトでも浴びてるんじゃないかって思うくらいキラキラした彼が、やぁ、って言った。
ショーン・パトリック・フラナリー。名前もかっこいい彼は、ハリウッドスターだ。ショップに行けば彼出演の映画が観れるし、今公開中の映画にも出てるからテレビをつければそのCMでも彼を見つけることが出来る。
 
「これ、何かの実験?」
「表面張力の実験をしたんだ」
「ふぅん。じゃぁもう授業は終わり?」
「うん、終わり」
 
コーラの入ったペットボトルにメントスを入れると、表面張力によってペットボトル内の炭酸が弾けて勢いよくコーラが噴出する。簡単だけど、でもすごく面白い実験だ。生徒にも評判は悪くない。
炭酸の抜けてないコーラがあればショーンにも見せてあげられるのに、生憎コーラの炭酸は抜けきっていた。だから僕はそれらをダンボールの中に放り込んで、教科書とノートを上に乗せる。あとは僕の部屋へ運ぶだけだ。
 
「あ、」
 
ダンボールを僕が持とうとすると、横から手が伸びてきてダンボールを抱えた。
君の部屋だろ?とショーンが言って、自分が運ぶことをアピールしてくれたけれど、僕は慌ててそれを拒否した。
 
「いいよ、自分で運ぶ」
「運ばせてくれよ。じゃなきゃ、君の部屋まで行く理由がなくなる」
 
上手な切り返しと、彼の片目が器用にぱちりと音を立てた(つまり見事なウィンクの)せいで、僕はダンボールを奪い返すことが出来なくなってしまった。だってショーンは立ってるだけでもかっこいいのに、こんなことされたら直視出来るわけがない。
僕は俯いたまま、ありがとう、と言った。声が震えそうになるのを必死で抑えたせいで、その声量は物凄く小さくなってしまった。
世間でもハンサムだと持て囃されてる彼が、一体どう転んで僕とお付き合いを始めてしまったのか、僕は未だに理解出来ないでいる。僕は教室から僕の部屋まで向かう道中、ずっとショーンのことを考えた。
 

「なぁ、この後予定空いてるか?食事に誘いたいんだけど」
「……えっと、誰の予定?」
 
片付けるのが苦手な僕の机はいつもごちゃごちゃしていて、今日の実験についてのメモを探してがさがさやっていた僕の返答は少し遅れた。どこにやったのかな。
引き出しの中も見たけれどやっぱり見つからなくて、もう一度机の上を探し始めると、ショーンが、君のだよ、と言った。僕はそれに物凄く驚いてしまって、机の上の書類の山をひとつ崩してしまったけれど、それどころじゃなかった。
 
「恋人を食事に誘うのは普通だろ?」
 
固まってしまった僕に、ショーンは笑いかけてくれた。映画の中では有名な女優にしか向けられない笑顔がそこにあって、未だに彼のハンサムすぎる顔に慣れない僕は、動揺しながら大急ぎで頷いてみせた。
彼の前ではなるべく変な行動を取りたくないと思っているのに、いつだって僕は奇妙な言動ばかりだ。何度も言うようだけれど、だってショーンはかっこよすぎるんだ。
僕は冷静さを取り戻したくて、ショーンから視線を外して散らかった書類を集める。そして、どもりながら返事をした。
 
「えっあ、う、うん…そうだね。えぇと…じゃぁ、家に帰ってジャケット取ってくれるよ」
「いいよ。店には行かないから」
「?」
「俺の家へ行こう。ご馳走するよ」
 
ばさばさとせっかく集めた書類が僕の手からこぼれる。多分僕は今世界で一番間抜けな顔をしていると思うけど、大したものは出てこないけど、なんて言って笑うショーンを見たら、きっと大抵の人は僕と同じ顔をするはずだ。
彼が家に誘ってくれたのは多分、この間僕がショーンと一緒に外出するのがあまり好きじゃないと言ったせいだろう。自分でも馬鹿なことを言ったと思うけれど、ショーンは怒らなかった。
彼と外出すると人の視線が気になって仕方なくて落ち着かない。ショーンと一緒の時はただでさえ落ち着かないのに、ギャラリーの視線がそれに拍車をかける。有名人の友人なんだと胸を張っていられればいいのに、僕はただのしがない大学教授で、しかも教員免許がなければただのオタクにしか過ぎないので、逆に僕なんかが彼の友人ですみませんと謝りたくなるんだ。
 
「………君、どうして僕と付き合ってるのかな?」
 
僕の勝手なコンプレックスに振り回されても、さりげなく気遣ってくれる彼みたいな人がどうして僕なんかと付き合ってくれているのか不思議でならない。
初めて告白された時も僕は信じられなくて、きっとこれはタチの悪いドッキリなんだと思った。彼が懸命に説明してくれても信じず、結局僕は彼に告白を4回もやり直させたのだ。
そしてお付き合いを始めた今でさえ、こうやって彼に質問する。もう何度目かになるそれに彼は苦笑した。
 
「その質問好きだよな、君」
「だって、本当にわからないんだ」
「やれやれ、頭の良い数学者様は何でも難しく考えるんだよな。――シンプルに考えてみろよ」
 
ショーンはそう言うけれど、学生時代、校内でも指折りの人気者がチアガールでもないガリ勉で根暗な女の子と付き合うなんてこと、絶対にありえなかったし、この大学でもそんな噂は聞かない。僕らの人間的要素はまさしくそれだから、シンプルに考えれば考えるほど、僕らの関係性はわからなくなる。
彼が何を言いたいのか僕にはさっぱりわからなくて、わからないよ、と素直に答えた。
 
「君が好きだからさ!」
 
首を傾げた僕に、ショーンはやっぱりハンサムな顔で笑った。
だから、それがわかんないんだってば!
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