href="http://baby3.3rin.net/RSS/"> href="http://baby3.3rin.net/ATOM/"> ハロー、グッバイ サンタクロース 忍者ブログ
取り扱いは海外ドラマなどですが、実際の人物、原作者の方、団体等には一切関係がございません。 同性愛表現を含みますので、同人にご理解、ご興味のない方のご入場は固くお断りしております
11 . June
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01 . December
コナマフでサンタクロースのおはなし
おはなしに出てくる数式は、知恵袋から拝借しました




>11/27 エメリーボードに感想を下さったトモアキ様
トモアキさんにもトモアキさんのKTにも喜んで頂けたようでとても嬉しいです。きっとダリル効果ですね
わたしもダリックには見てるこっちがやきもきするような恋愛をしてもらいたいと思う反面、もうむちゃくちゃにしてやる!みたいな獣じみた感じのセックスをしてもらいとも思ってます。ダリックの不器用さと情熱がとてもおいしいです。是非とも公式でヤってもらいたいです
ダリルは乙女に、リックはイケメンに、を目指してこれからも精進していきます!
最後になりましたが、感想ありがとうございました!






ドクのパブのカウンターのど真ん中は、俺とマーフの指定席だ。
いつもの席で可愛い弟は伸びたセーターから指先だけを覗かせて唇を撫でている。あいつは小さい頃から口元を気にするのが癖だった。爪を噛む癖もあったが、それは兄として止めさせた。あいつの綺麗な爪が歪むなんて耐えられないだろ。
マーフの噛み癖を治すのは簡単だった。あいつは素直だから俺が止めろと言えば従うし、煙草とキスを与えてやれば文句はないようだった。
俺がトイレに立った隙に、可愛いマーフには早くも下心が透けて見えるでかい害虫がくっ付いていやがった。それも二匹も。一匹はロッコ(こいつは無害だから許す)、もう一匹の方は新顔だ。ちらと聞こえる言い回しでアイリッシュだとわかった。
危機感なんてまるで持っていないマーフは、あのハニーフェイスに笑顔を浮かべて新顔と喋っている。あいつはいつだって人見知りをしなかったし、多分このパブじゃ一番話しかけやすい奴に見えるから、まぁ仕方ないと言えばそうだろう。
俺がトイレから戻ったのを逸早く気付いたのはやはりマーフだった。コナー、と俺をでかい声で呼んで、それから横の新顔を指差す。
 
「こいつエドっていうんだって!一昨日こっちに来たばっかりらしいぜ」
「へぇ。俺はコナー。こいつの兄貴さ」
「よろしく、コナー」
「でさ、今サンタクロースは世界に何人いるかって話してるんだ」
 
マーフは自分が紹介したにも関わらず、エドとの挨拶も俺に大してさせずに先程まで3人で話していた内容を引っ張り出す。そうするとロッコはグラスの酒を飲み干して、サンタなんていねぇ、と大多数の大人的意見を述べた。
“クリスマス・イブの夜にはサンタクロースが我が家にやってくる”と信じているのは子供の頃だけだ。大抵の子供は思春期に入る前に、枕元にあるプレゼントが親から贈られたものだと気付く。俺たちの家には同年代の子供たちより随分と早くからサンタクロースが来なくなったので、俺とマーフはお互いにプレゼントを贈ってサンタごっこをした。だから俺もマーフも、サンタクロースが一般住宅を訪ねてくることはないと知っている。(そもそも夜中に不法侵入するなんて非常識だ。泥棒と間違えられて発砲されても文句言えねぇぞ)
 
「公認サンタクロースは世界で120人もいる。夢もへったくれもない」
「でもそれはグリーンランドのサンタクロース協会が勝手に決めたことだ。本物はひとりさ」
 
意外に博識なエドの言葉を否定して、マーフがぴっと人差し指を立てる。そうだ、サンタクロースは実在する。俺たちの家には来なかったけどな、多分それはサンタクロースを必要としてなかったからだ。俺にはマーフがいたし、マーフには俺がいたから、サンタクロースなんて来たらプレゼントが余ってむしろ気まずい。
 
「そうだな、サンタクロースはひとりだ」
「おいおい、お前まで何メルヘンなこと言ってんだ、コナー。マーフィーの頭がお花畑だってのは知ってたが、まさかお前もだったのか?」
「黙れロッコ。ぶん殴られたいか」
 
俺の言葉に大げさに嘆いてみたロッコに、さらにマーフが反応する。
確かにマーフの頭の中はお花畑だ。ふわふわのピンク色。こいつは飴玉とかケーキとか、兎に角甘いものを全部ぶちこんで作り上げたみたいな、可愛い生き物だと俺は思う。世界中の砂糖を集めたって、マーフより甘くはないはずだ。
でも、頭の出来は悪くない。マーフはドクからペンを借りて(このパプにペンなんて高尚なものがあるなんて!俺はてっきり酒と飲んだくれしか置いてないものだとばかり思ってたぜ)、直接カウンターにつらつらと数式を書き連ねる。
エドが少し戸惑った視線をドクにやったが、ドクは気付かなかった。店で乱闘騒ぎしたってドクは吃音に混ぜて、くそったれ!と言うだけだから、カウンターへのラクガキくらい俺もロッコも気にしてなかった。
 
「22億÷8÷60÷60=76388.8…??なんの計算だ?」
「サンタクロースが1秒あたりにプレゼントを配れる人数だ。世界の子供の人口22億人を夜の8時間で割って、さらに60分と60秒で割る。答えは7万6千4百人弱ってことだ」
「つまり、ひとりあたり13.1マイクロ秒だな」
 
数式を読んで首を傾げるから説明してやったが、ロッコはさらに首を傾げるだけだった。こいつはほんと馬鹿だ。しかしエドはまだついてきているらしくて、成程、と肯く。
マーフはもう少しだけ数式を書き足して、ペンを置いた。今度はサンタクロースの移動距離が弾き出されていた。
一番速いのは光の進むスピードだ。これは一般常識。で、その速さっていうのが、1秒間に30万キロ。マーフは配る時間を無視したみたいで、イコールの後には3.9が書かれている。つまり、13.1マイクロ秒では3.9キロの移動が可能ってわけだ。ワオ、ハードスケジュールだ。
 
「このことから、サンタクロースには特殊相対性理論が適用される。だからサンタクロースは歳をとらねぇんだ」
「へ、へぇ…すごいね」
「サンタクロースのプレゼント贈呈方法は一子相伝なんだ。だから、じじいになるまで弟子はただのお手伝い。技を受け継いでやっとサンタクロースになれる。そんで師匠は引退してぽっくり逝くんだ」
 
マーフはうんうんと勝手に頷きながら言った。あいつの中じゃサンタクロースって奴は一種の称号みたいなもんになってる。夢があるんだかねぇんだかわからないが、マーフの頭の中は時々奇天烈じみてるから、そんなもんだ。それでいい。
俺たちはこの壮大なサンタクロース・ストーリーをハイスクールの時に叩き出した。
その頃語学の勉強をする為に入り浸っていた図書室には様々な専門書が置いてあったから、息抜きに別の本を持って来ては夢中になったのを覚えている。
サンタクロースの話だって、そのうちのひとつだった。クリスマスが近くなって、ふとマーフが「サンタクロースって何人いるんだ?」と首を傾げ、その素朴な疑問は俺たち二人の頭を妙に刺激して離れなかったので、その日予定していたロシア語(イタリア語だったか?)の本も放り出して本棚をひっくり返したのだ。調べ終わった俺たちが同時に「サンタクロースってすげぇな」と感嘆の声を上げたのは言うまでもない。
 
「まぁサンタクロースが何人いたって俺たちには関係ねぇよ」
「そりゃそうだ。暖炉に靴下飾るって歳でもねぇ」
「そうじゃねぇよ。俺が子供だったとしても、別にサンタクロースなんて要らねぇって話だ」
「そうさ、要らねぇよ。例えサンタクロースが100万ドル持って玄関のベル鳴らしたって、丁重にお引き取り願うね」
「サンタクロースのくせに玄関から来るのかよ」
「だって暖炉も煙突もねぇだろ」
「窓をノックして入ってくりゃいい。玄関よりはましだ」
「馬鹿。うちの窓をノックしたって俺たちは気づかねぇよ」
「それもそうだ」
「窓だか玄関だかどっちでもいいけど、俺を置いてけぼりにして兄弟だけで話をするのを止めろっていつも言ってんだろ」
 
ロッコが俺たちの話に茶々入れてきて、俺たちは二人揃ってロッコを見た。奴はすぐに言葉を詰まらせる。こいつはいつも俺たちに、二人だけで喋るな、と言うくせに、それを眺めるのが好きだとも言う。変な奴だ。でも嫌いじゃない。
 
「うるせぇ、ロッコ。俺たちの邪魔すんじゃねぇよ」
「そうだ、俺とコナーの間に割り込んでくるなんてロッコのくせに」
「へぇへぇ、悪かったな。それじゃお邪魔虫は退散するよ。エド、こっち来い」
 
俺とマーフに邪嫌にされたってロッコは気にしない。いつものことだからだ。
案の定溜息一つで諦めたロッコは、エドを連れて違うテーブルへ向かう。エドも首を傾げながらも呼ばれたのでついて行った。
そろそろマーフが酔っぱらってきたことをロッコは気付いていたらしい。こいつは酔っぱらうと手に負えない。俺が引っ掴んでキスして宥めてやらなきゃならないから、とばっちりに遭わないように早々に退散していく。兄貴はいつだって甘えたな弟の面倒をみなきゃいけないんだ。俺にとってはそれが何にも代え難い幸福でもあるのだが。
 
「マーフィー、そろそろ帰ろうぜ」
「何で?もうちょっと飲みたい」
「駄目だ」
「だから何で?兄貴だからって俺に指図する権利ないだろ」
 
マーフは生意気な口を叩いて俺を睨み上げた。カウンターに突っ伏したままの上目遣いは、計算してやっているのかと思うほど可愛い。しかも酒のせいでとろりとした目が相まって、俺は今すぐマーフをトイレか店の外へ引っ張り込んであの小さいケツをガンガンに突いてやりたくなった。マーフはいつだって目線ひとつで俺を駄目にする。
俺は良い兄貴になりたかった。幼い頃から何かとマーフの面倒をみたのもその為だった。だけど今じゃどうだ?可愛い弟が俺を見つめているだけで欲情する。弟に向けるのは家族愛などではなく、どうしようもない劣情だ。マーフは兄貴面するなと言ったが、俺はもうずっと前からこいつの前で兄貴面なんかしたことはない。体裁ぶってそれらしく振舞ってるだけだ。
 
「久々にサンタクロースごっこがしたくなった」
「サンタクロースが来るにはちょっとまだ早いだろ」
「俺のサンタクロースは年に一回だけなんてセコいことは言わないんだ」
「いいぜ。欲しいものを言えよ、コナー」
 
マーフがそう言って笑う。先程までちょっと不満げに顰めた顔は、今やひどく愉しげだった。俺の欲しいものなんて決まっている。
マーフは上機嫌でビンに残っていた酒を飲みほして俺にキスした。アルコールの味がする唇は甘ったるくて、すぐに離れようとするマーフを押さえつけてそれを堪能する。マーフは然程抵抗しなかったと思う。頭がくらくらして何も考えられなかった。ただ、マーフィーが欲しかった。
 
「……ん、ふ、…っ」
「……ッマーフ」
「ぁ、コナー、コナー」
「…何だ、どうした」
「俺もサンタクロースに来て欲しくなっちまった」
 
必死に俺を呼ぶマーフの為にキスを中断してやると、マーフはとろけるような顔をして言った。ちくしょう、俺の弟はなんて可愛いんだ!
俺はポケットから金を出してカウンターに叩きつけ、マーフの腕を引いて店を出た。外へ出る直前にロッコと目があったが、あいつはやっぱり何でもない風で、またな、と手を上げた。あいつはほんと、良い奴だな。
 
「なぁ、なぁ、コナー。早く帰ろう。部屋に戻ったらすぐセックスしよう。コナーが欲しいんだ。我慢できねぇよ」
「わかってるよ、うるせぇな」
 
そんなわかりきったこと言うんじゃねぇよ。俺たちは産まれる前から一緒で、マーの腹の中で一緒に息してたんだ。お前がセックスしてぇなら、俺だってしたいに決まってる。
部屋に帰ったらクロスをかけて、競争するみたいに服を脱いでボロボロのマットレスにダイブしよう。そして俺たちは、幼い頃のようにサンタクロースのプレゼントのリボンを解くんだ。サンクス、マーフィー・サンタ!
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