「双子って片方が死んじまうと、もう片方も三年以内に死ぬ確率が高いらしいぜ」
「なんだそりゃ」
サンドイッチの移動販売車の前で、注文したサンドイッチが出来上がるのを待つ間、ふと思い出したようにコナーが言い出した。
マーフィーはサンドイッチが出来上がる過程をじっくり観察しながら、コナーの言葉に笑った。そんなこと一体何処で知ったんだとマーフィーが聞けば、雑誌に書いてあったのだとコナーは答えた。
「三年か…。そりゃまた随分長生きするんだな」
出来上がったサンドイッチを二つ受け取り、マーフィーは観察した限り、具の少なそうな方をコナーへ手渡した。その様子を見たことのあるロッコは、あいつは食い意地が張ってやがる、と言ったけれど、コナーは気にしたことはない。例えばコナーがサンドイッチを受け取っていたとしても、結果は変わらないからだ。
コナーは受け取ったサンドイッチに齧り付く。ハムと卵がソースとマッチしていて美味かった。レタスも新鮮だったので、コナーはそのサンドイッチに満足した。たまにはこうやってマーフィーに野菜を摂らせないといけないとコナーは思っていた。
「そうだよな。三年っていったらつまり、約1100日だ」
「長すぎる」
「同感だ。そんなの耐えられねぇ」
コナーとマーフィーは頷き合いながら教会へ向かった。朝のミサには十分間に合う時間だ。
サンドイッチを完食し、コナーはマーフィーに教会の近くの店でコーヒーを買ってやった。マーフィーは半分飲んで、残りをコナーへ押しやった。コナーは全部マーフィーにくれてやってもよかったし、そのつもりで買ったのだけれど、マーフィーがごく当たり前のようにカップを渡してきたので、コナーは笑って残り半分を飲んだ。
双子はいつも、ひとつのものを半分ずつにした。決して一人占めなどしなかった。幼い頃からそうだったし、今もそれは変わらない。
仲良く半分こしたコーヒーのカップを捨て、二人は教会の長椅子に腰かけ、ミサの開始を待った。
ミサの最中、双子は先程まで話していたことを思い出していた。残された双子の一方が三年以内に死ぬという話だ。
コナーはマーフィーが死んだら、弟の身なりを整えてやって、存分にキスをして、それから死ぬだろうと考えた。すべてをやり遂げるまでに、3時間も必要ないと思った。
マーフィーの場合、コナーが死んだらきっとすぐに自分に銃口を向けて引き金を引くだろうとほぼ確信的に思った。マーフィーはコナーのいない世界には、3秒だっていたくなかった。
やはり三年なんて長すぎる、と結論づけた二人は、いつものように生を神に感謝し、そして願わくば生を受けた時のように、自分たちの死も同時であるようにと祈った。
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